Mikotoの活用 STEP1

Mikotoにボーンを仕込んで動かそう、という方のためのチュウトリアルです。こっから実践編
テーマとか 備考
■基本方針 既存Mikotoセットに、キャラデータを仕込む
自作でも公開データでも構わないので、中の人を用意します。コレをMikoto基本セットに組み込んでみましょう。
実例として出すのは、わたくしの初期のデエタです。大の字までは作れたが、動かすことは考えていなかったとゆーモノなので、まんま今回の目的に合致するから。


■説明に用いているデータ
説明に使用しているベースモデルです。
作業中のと完了後のデエタも入っています。



■このアンカーセットの特徴
 ・骨は16本(人間っぽく動かせる必要最小限)
 ・簡略化のため、鎖骨と髪の毛はナシ
 ・アンカーBOXはすべて直方体(を変形)
 ・標準的な大の字ポーズ(=T-Stance)
 ・単純な作りなので読込が早い

■看板の偽り
左の画像の両端のは、MikotoではなくCelshadeで
表示しています。残念ながらMikotoでは
こんなにきれいには表示出来ません。
■インポート作業
メタセコ形式以外のデエタを取り込む場合、UV付きだとWaveFontObj形式(通称OBJ)を経由するのが殆どだと思いますが、Z軸の反転とか大きさ合わせを毎回しないといけないので結構面倒です。


■色情報が消えている
→OBJならUV情報は消えていない
 材質を適用してテクスチャー指定すれば回復する


■面の向きが変
→選択して反転、と繰り返す
(元データ側で修正しておく方が楽)


■物体の向きがおかしい
取込時にX軸を反転とかYZ軸を交換する

■セッティング後のチュウンとか
大体の大きさを合わせたら、中の人の関節が正しい位置になるよう、骨とアンカーBOXを細かく調整します。調整出来たら、さっそくMikotoに読み込んでテスト。イッパツで上手くいくのに越したことはありませんが、大抵は軸やアンカーの位置が微妙にずれていてイマイチな変形だったりするですよ。で、微調整すると劇的に良くなったり。



骨は基本的には人間の関節の位置に仕込めばオッケーです。

■注意点とか
・腕/脚アンカーの交差深さは、腕/脚の太さくらいが目安
・股関節は実際の骨と同じにはならないので、
 適当なところで妥協する


・鎖骨なしだと腕上げで不自然になるが我慢する。


■アンカー側の修正 股関節の改善
肩と股関節は、可動範囲がきわめて大きく融通性が高い関節なので、人体モデルでは常に鬼門となります。
前後・左右に開脚したときのひしゃげを改善するため、脚の付け根のアンカーBOXを、骨盤とゆーかパンツのラインとゆーか、適正な変形範囲に沿わせてみました。


■アンカーをちょっと改善したデータ
股関節のアンカーを若干改善したモデルです。
■このアンカーセットの特徴
 ・胴体と脚のアンカーBOXをパンツラインに沿わせた
 ・他はベエスモデルと一緒
■曲げ部分の割り方
曲げ部分は蛇腹ボール割りとゆーベタベタな呼び方の手法で割るよう心掛けると、かなり綺麗に変形するようになります。普通にパイプ状にすると、曲げたときひしゃげます。


見た方が早いですが、円筒の等分割よりも球体の方が、折れ曲がり時のひしゃげが少ないってモノ。

■蛇腹ボール割り
Mikotoのボーン変形の要であるsdef(スフィリカルデフォーム、つぶれない変形)は 軸中心から頂点までの距離が一定のまま適当に補正がかかって変形するっぽいです。


で、軸中心〜頂点間が蛇腹の如くすべて等距離なら
ひしゃげない
はづ。実際には補正アルゴリズムの所為もあって、球体だとむしろつぶれるので、楕円球が良さそうですけど。


あと造型の凸凹としての割りと、関節曲げのための割りは分けて考えた方がメンテナンス性が向上します。

ヘボいローポリモデルであんまり参考になりませんが、関節部分は同じ2列に割っています。曲げる前提なら、このくらいは最低限必要って感じで。

■不具合への対処とか
10万ポリゴンとか使っているハイポリキャラの場合、この基本アンカーセットでは上手く動作しません
中の人はsdefとゆー名前をつけたレイヤーに格納するのですが、sdefひとつにつき2万ポリゴンちょっとに抑えないと表示がおかしくなる制限があるのですよ。
△ポリゴンの場合21845、□ポリゴンだけの場合は半分の10922が限界と思われます。大抵は△□が混在するので、概ね13000〜15000くらいが目安でしょう。
なので、腕とか服とか髪の毛とか、分割できるモノは分割して複数のsdefに分散させることで、上手く制限内に収めます。分割作業についてはSTEP2にて詳述します。

■モデル側の修正 ポリ数を減らすか、分割するか
服や髪の毛とか全部合わせて1体で2万ポリとかは、
ゲーム屋さんなら多すぎるから減らせってとこでしょう。
比較的キャラ用ポリゴンを潤沢に使える格闘ゲームの場合でも、 旧型PlayStationで△1000ポリ、PlayStation2で△5000ポリ、XBOXでも△1万ポリとかのオーダーらしい 。

ただゲームでは服の下は見えないから作らないですが、
デジタルフィギュアは脱がせば見えるので作ります

宝くじだって「どうせ当たらないんだから外れくじだけ
売ってあげるよ
」とかいわれたら、がっかりして
買いたくなくなるじゃないですか。それと同じですよ。

なおフォトリアル画像やCG映画は根本思想が異なるため、 50万ポリとか普通に使うみたいです。